キミのこと痛いほどよく分かる
最期
雨が降ってきた。

閉ざされたドアの前、座って、落ちていく雨粒を見つめていた。

それが落ちて音を立てているのをきいていた。

そうして、彼がここに帰ってくるのを1人、待っていた。

私がここで待ち続けるとゆかりさんに話したとき、ゆかりさんはそれで気が済むのならと言って、了承してくれた。

私を今保護している施設にも、話をつけておくと言ってくれた。

星が涙を流しているのだろうか。

こんなに、大粒で、沢山の涙を。

きっと、この子たちは分かってくれている。

キミのことを痛いほど。

私にできるのはこれだけ。

一緒に、寄り添ってあげることだけ。
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