キミのこと痛いほどよく分かる
学校の帰り、母猫が、子猫たちを連れているのを見かけた。
すぐに、前、自分が助けたものだと分かった。
幸せそうに頬をすり寄せ合っている。
その母猫は、こちらを見かけると、前に助けてもらったことを覚えているらしく、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「来るな。」
咄嗟に後ずさる。
それでも、何も知らないこの猫は、甘い鳴き声を発しながら、近づいてきた。
「やめろ...。」
それでも、ついてくる...。
「やめろ、お前、なんて...。」
ついてくる。
「いやだ...嫌だ!!」
猫に向かって、石を投げた。
母猫は、ギャンと叫び声をあげ、飛び上がるのが視界に入った。
さあっと、
顔が熱くなるようで、
青く血の気が引く。
胸を押さえ、あちらを見もせずに駆け出した。
きゃー
きゃー
そんな高い声が耳に響く。
耳にも必死に手をやった。
だって。
仕方がないじゃないか。
それは、いいことじゃなかったんだ。
ボクガ、助けたことは。
いいことじゃなくて。
本来なら、見殺しにした方が良かった。
そうした方が、よかった。
そうしたら、ボクガ苦しむこと、
痛いことなかったんだから。
あんなの、動かなければただの...。
...るな。
...みるな。
見なくていい。
ちょっと傷つけたって。
痛くてもがき苦しんでたって。
もしかしたら、死んじゃっても。
ボクは関係ない。
関係...ないんだ。
「...あ...あ、あ...ぁ。」
身体の震えが止まらない。
吐き気が、止まらない。
考える...な....。
何、も...。
「あ...あぁぁぁああぁぁぁぁぁ
...あははははははははっっっっ!!!」
止まらない。
笑いが。
やってやったんだ。
やってやったんだ。
ザマアミロ。
ざまああみろよお!!
何にも知らずに。
俺に近づいたりするからだ。
感謝したりするからだ!!
衝動に駆られて、
頭や腹や胸や腕や、
色んなところを抱えて笑った。
ひとしきり笑ったあと、
スキップして帰ったりなんかもした。
今思えば、とても残酷な話だった。
すぐに、前、自分が助けたものだと分かった。
幸せそうに頬をすり寄せ合っている。
その母猫は、こちらを見かけると、前に助けてもらったことを覚えているらしく、嬉しそうに駆け寄ってきた。
「来るな。」
咄嗟に後ずさる。
それでも、何も知らないこの猫は、甘い鳴き声を発しながら、近づいてきた。
「やめろ...。」
それでも、ついてくる...。
「やめろ、お前、なんて...。」
ついてくる。
「いやだ...嫌だ!!」
猫に向かって、石を投げた。
母猫は、ギャンと叫び声をあげ、飛び上がるのが視界に入った。
さあっと、
顔が熱くなるようで、
青く血の気が引く。
胸を押さえ、あちらを見もせずに駆け出した。
きゃー
きゃー
そんな高い声が耳に響く。
耳にも必死に手をやった。
だって。
仕方がないじゃないか。
それは、いいことじゃなかったんだ。
ボクガ、助けたことは。
いいことじゃなくて。
本来なら、見殺しにした方が良かった。
そうした方が、よかった。
そうしたら、ボクガ苦しむこと、
痛いことなかったんだから。
あんなの、動かなければただの...。
...るな。
...みるな。
見なくていい。
ちょっと傷つけたって。
痛くてもがき苦しんでたって。
もしかしたら、死んじゃっても。
ボクは関係ない。
関係...ないんだ。
「...あ...あ、あ...ぁ。」
身体の震えが止まらない。
吐き気が、止まらない。
考える...な....。
何、も...。
「あ...あぁぁぁああぁぁぁぁぁ
...あははははははははっっっっ!!!」
止まらない。
笑いが。
やってやったんだ。
やってやったんだ。
ザマアミロ。
ざまああみろよお!!
何にも知らずに。
俺に近づいたりするからだ。
感謝したりするからだ!!
衝動に駆られて、
頭や腹や胸や腕や、
色んなところを抱えて笑った。
ひとしきり笑ったあと、
スキップして帰ったりなんかもした。
今思えば、とても残酷な話だった。