キミのこと痛いほどよく分かる
「...?」
目が覚めると、見知らぬ場所で寝ていた。
いや、そう一瞬で錯覚しただけだ。
ここは、私を保護している施設。
いつものように、また色のない朝が始まった。
こんな色のない壁の中に私を入れた人は誰なんだろう。
私は、誰にも必要とされていないから、人の目につかないように入れたのだろうか。
この箱庭の中に。
あのまま、死んじゃっても良かったのにな。
まあ、あのときに逃げ出したのは、
他でもない私なんだ。
それは変わらないから。
また、いつか、真っ当から向かわなくちゃ。
でも...。
本当に私の居場所は。
ここ、だったんだっけ。
「真壁さん。
そろそろ起きて、皆のところにいきましょう。」
施設のひとが、空っぽな今日の目標を投げかけてくる。
最近、何にも思ってないな。
怒りも、悲しみも、苦しみも、
思いやりも、恋も
全部...。
消えてしまったように感じる。
心が抜け落ちてしまったように感じる。
もしかしたら、あの時から私の心だけは。
死んでしまったのかもしれない。
そういえば、
昨日、大切なものを握りしめて寝たような、気がする。
そっと、右手を開くと、そこには、小さな写真が握られていた。
そこには、猫を抱えて微笑んでいる少年が写っている。
知らない子だ。
そういえば、昨日、施設の片隅に落ちているのを見つけて拾ったんだ。
笑顔とか、そういうの久しぶりだったから。
自分もやり方、忘れないように持っておこうと...。
「先生...?」
今にして思えば、なぜそう呟いたのかわからない。
この写真の少年が誰なのかも、何に苦しんでいたのかも、誰を想っていたのかも、
全部。
目が覚めると、見知らぬ場所で寝ていた。
いや、そう一瞬で錯覚しただけだ。
ここは、私を保護している施設。
いつものように、また色のない朝が始まった。
こんな色のない壁の中に私を入れた人は誰なんだろう。
私は、誰にも必要とされていないから、人の目につかないように入れたのだろうか。
この箱庭の中に。
あのまま、死んじゃっても良かったのにな。
まあ、あのときに逃げ出したのは、
他でもない私なんだ。
それは変わらないから。
また、いつか、真っ当から向かわなくちゃ。
でも...。
本当に私の居場所は。
ここ、だったんだっけ。
「真壁さん。
そろそろ起きて、皆のところにいきましょう。」
施設のひとが、空っぽな今日の目標を投げかけてくる。
最近、何にも思ってないな。
怒りも、悲しみも、苦しみも、
思いやりも、恋も
全部...。
消えてしまったように感じる。
心が抜け落ちてしまったように感じる。
もしかしたら、あの時から私の心だけは。
死んでしまったのかもしれない。
そういえば、
昨日、大切なものを握りしめて寝たような、気がする。
そっと、右手を開くと、そこには、小さな写真が握られていた。
そこには、猫を抱えて微笑んでいる少年が写っている。
知らない子だ。
そういえば、昨日、施設の片隅に落ちているのを見つけて拾ったんだ。
笑顔とか、そういうの久しぶりだったから。
自分もやり方、忘れないように持っておこうと...。
「先生...?」
今にして思えば、なぜそう呟いたのかわからない。
この写真の少年が誰なのかも、何に苦しんでいたのかも、誰を想っていたのかも、
全部。