どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
――え?
鞄から挑戦状を取り出そうとした瞬間、身体が宙に浮いた気がした。
「作之助」
総真くんの声で、わたしが今作之助に抱えられていることに気付いた。
「さ、作之助! 離して! わたしはこれから総真くんに――」
「いいから! ちょっと黙ってて! 総真ごめん。あとで説明するからこの場は見逃して!」
作之助は言うなり、わたしを抱えたまま駆けだした。
俵(たわら)担ぎで。
背中と足を押さえられていて、わたしの視界に映るのは作之助の背中だ。
作之助は容赦なく走るから、わたしとしては超高速で後ろ走りしているみたいなものだ。
風景がおかしい。
「作之助!」
「黙っててって言ったろ」
いやいやいや! 滅茶苦茶注目浴びまくってるからね⁉ 長身の作之助の頭より高い位置にわたしの目があるから、とんでもなく地面が遠い。
走った作之助は途中にあった公園に入って、ベンチにわたしをおろした。
「ごめん、ちょっと水都さんのクラスの人に助けを求められたから出張った」