どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
「それでも、父様も母様も実の子のように可愛がってくださって……恩返ししたいのと同時に、父様や母様みたいになりたいんです」
優しくお強い父様と、お強く優しい母様。
くださった愛情に、少しでも答えたい。
「そして母様は、わたしの憧れそのものです。母様みたいになるにはヤンキーを経験しないと!」
「……藤沢さん」
「はい?」
コガサクくんが、一段低い声で呼んできた。
なんだろう、気が変わってくれたのかな?
「やめなさい」
「え……」
「ヤンキーはやめておきなさい。藤沢さんには向いてないよ」
「っ……、こ、コガサクくんはヤンキーで有名じゃないですか!」
「俺は自衛のために仕方なくって言ったろ。自分からヤンキーになりたいなんて乗り込んでないよ。そもそも――」
「……なんですか」
コガサクくんは、軽く息を吸ってから長く吐いた。
そのあと、平坦な目で私を見て言った。
「ヤンキーのなりかたなんて、俺もわかんない」
「あ……」