どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
桂花さんは部屋の隅に自分の場所を移して、開け放たれている障子戸の方を向いて正座した。
俺も座っていた向きを変える。
静かに現れたのは、美形の男性と、以前逢った水都さんの母様だった。
……どっちも漫画なら背景に『美』って書かれそう。
「父様、母様。お友達連れてきました!」
水都さんが元気よく片手を挙げた。
だがにこやかな水都さんの母様と違って、男性は俺を見て瞳を細めた。
少なくとも歓迎されている視線ではない……。
水都さん、その空気の読めなさ、ちょっと分けて。
「こんにちは、作之助くん」
「お、お久しぶりですっ」
水都さんの母様に座ったまま頭を下げると、男性が驚いた顔をした。
「琴、知ってるのか?」
「うん。この前水都送ってくれてて、一緒に帰ったんだ。作之助くん、こっちが水都の父の巽(たつみ)くんね」
「は、はじめまして! 古閑作之助といいますっ」
「………」
う……名乗ったけど、水都さんの父様からの視線がどんどん冷たくなる……。
「………水都」
そして水都さんの父様から出たのは地を這う低い声……。
怒られる……⁉