どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
「古閑くん」
「は、はい」
何度目かの背筋正し。水都さんの父様は威厳があるというか、異を唱えることに委縮させる感覚を持たせる人だ。
やばい思考回路の人間が持っていたら、それこそやばいオーラみたいな。
水都さんの父様が、やっと壁から手を離して俺の方へ向き直ってきた。
なんかこの数分でやつれたように見えるけど声ははっきりとしたままだ。
「水都とは友人、なんだな?」
「はい! もちろんです!」
水都さんの父様にそう認めてもらえたらありがたい以上のものはない。
親御さんに、娘は不良もどきと交流がある、とか思われたら本当に嫌だ。
そのとき、水都さんの父様が俺をぎっと睨んできた。
えっ、なに?
「先に言わせてもらう。水都は嫁にやらんし婿もとらん!」
「………はあ」
そうですか。気が抜けて間抜けな返事になってしまった。
……なんで俺にそんな宣言するんだ?
「ちょ、父様!」
水都さんの父様の宣言を聞いて慌てたのは水都さんだった。