どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
「せっかく来てくれたのに喧嘩なんか見せちゃって」
「いえ。その、大事なお話だと思いますから……」
水都さんの意思と、水都さんの父様の意思を尊重するためには、ぶつかる必要もあるのかもしれない。
俺は考え的なことでぶつかることは避けがちだけど、『必要』なこともあるって、水都さんと友達になって思うようになってきた。
俺、水都さんとは割と衝突しているからな……でも友達やめようなんて思わないんだから、『友達』は奥が深い。
喧嘩イコール嫌いではないんだなというのも発見だ。
「ほらいい子! ね、巽くん。作之助くんいい子でしょ? 別にまだ彼氏とかいうんじゃないし、友達紹介だよ、今日は」
にこにこと水都さんの父様を説得する水都さんの母様。いい人だなあ……。
「………」
でも『いい子』、とか言われるのは意味がわからないけど、俺も水都さんの母様の言った方向で終わらせたい。早く帰りたい。帰らせて。
「………本当に友人なんだな?」
水都さんの父様がまた厳しい目つきで俺に念を押してきたから、深く肯いた。
「はい」
「……わかった。威嚇してすまなかった。水都のこと、友人として、頼む」
なぜか『友人として』を強調されたけど、無事今日のノルマは達成できたようだ。