どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】

……あ、桂花さんに訊いてみようかな……。

「桂花さん、恋愛って、必ずしなきゃダメなものですか?」

「恋愛、ですか? 結婚ではなく?」

開けていた窓を閉めてくれた桂花さんが、不思議そうな顔で振り返る。

わたしが桂花さんの方へ体を向けて座り直すと、桂花さんもその場に正座した。

「結婚が絶対っていうのは、藤沢(うち)だから疑問はないんです。でも今日……羽咲ちゃんにも言われたんです。仲良くしてる友達は彼氏じゃないの? って……。わたしはもともと、家の決めた人と結婚することに疑問も不満もありません。だから彼氏なんていりません。なのにみんな、そういう浮ついた話が大好きみたいで……いちいち反論するのに疲れてきました」

ふうと、ため息をともに心の中にあるもやもやを一気に吐き出した。

桂花さんは「んー」と口元に手をあててから口を開いた。

「……その人の環境によってさまざまでしょうけれど、絶対ということはないと思いますよ。現に旦那様も奥様も、お嬢様に結婚を強いているわけではないようにお見受けできますし」

「………」

そうなんだよねえ……わたしの結婚を家で決めたいのは、父様と母様じゃない。

今は父様に代を譲った、いわゆる先代世代のおじいさんたちだ。

父様のご両親はもうお亡くなりになっているから、おじい様おばあ様たちと藤沢の家を護って来た人たち。

「大丈夫ですよ、お嬢様。お嬢様の味方はお嬢様が思っているより多いんですから」

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