どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
んー……でもなあ……。
「あの、その手のからかいはちょっとタチが悪いかと……」
なだめるように言うと、藤沢さんは真剣な顔で俺を見上げて来る。
「からかいじゃありません。私、ずっと羽咲ちゃんと一緒にいたから、羽咲ちゃんさえいればいいって考えになっちゃってて、羽咲ちゃん以外の友達とか作らなかったんです」
「そう、なんだ……」
幼馴染と仲良過ぎてほかを求めなかったってことか? 俺とは境遇が違うけど……。
「でも羽咲ちゃん、高校の入学式の日に友達が出来たんです。私がヤンキーの代表のコガサクくんの情報を集めている間に、こう、スチャッと? 仲いい人が出来たんですよ! おめでとうって気持ちと羽咲ちゃんを取られて悔しいって気持ちがない交ぜになって今めちゃくちゃぐるぐるしてるんです」
な、なぜそこまで……。
仲いいのはよくわかったけど……。
「だから、と言っていいのかですけど、友達が出来なくて淋しかった過去のコガサクくんの気持ち、少しはわかるつもりでいます」
そですか。
でも、俺は今更どうしようとも思わな――
「だから、私にヤンキーになるなって言うんなら、コガサクくんも不良やめてください。わたし、取引なら応じます」
……すげえこと言うな、この人。
なんか藤沢さんに呆れを通り越した感情になってきた。