どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
「藤沢さん、離れて歩いて」
重ねて言うけど、藤沢さんは後ろ歩きのまま。
「二度目」
「二度言うくらい重要なことなんだ」
「……むー」
「不満顔しても引かないよ」
「じゃあ送ってくださらなくても大丈夫ですよ。一応地元ですから」
「………」
地元で男ぶっ飛ばしまくっているのか。
それはもうヤンキーでいいんじゃないか……?
調子に乗らせないために絶対に口にはしないけど。
「藤沢さんに殴られる男が可哀想だからついて歩いてるだけだ。藤沢さんのためじゃない」
「コガサクくんがヤンキーやめるんならわたしも諦めてもいいですよ?」
「………」
俺ひとりの一存で決められりゃあいいよ。
でも俺にはもう、しがらみが多すぎる。
俺が黙って歩いていると、藤沢さんが俺の方を見たまま、そうだ、と声をあげた。
「うちまで来てくれるんならお茶でもどうですか?」
おい。もっと警戒しろ。俺今日初対面だぞ。