どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
「母様大好きなんだ?」
「はい!」
……そこまで笑顔で言えるなんてすごいな。
いっそ憧れる。
「あ、ここです、うち」
「ん?」
足を止めた藤沢さんが右手がわを指さすから、俺もそれを追った。
………え。
「あの、……すごいおうち……だね?」
思わず疑問符がつく感想を言ってしまった。
藤沢さんの示した家は、どでかかった。
でっかい門があって、その奥に家が複数並んでいる……。
「もとはこの辺りの地主みたいな家なんです。だから親戚も割と一緒に住んでいまして。あ、足して二十になるお仕事ではないですからね?」
……ちょっとびっくりしただけに藤沢さんの説明がありがたかった。
「じゃあ俺はここで。もう簡単に人を殴らないでね」
「わかりました。蹴ることにします」
「そういう意味じゃないんだよ。……じゃ」
「はい、また。ありがとうございました」
「……また、はないよ。さようなら」
それだけ言って、俺は早歩きで藤沢さんの家を離れた。
これで藤沢さんとの関わりも終わり。
……それがいいんだ。