どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
…………。
「笑ってくれるならいいよ。泣かれたり悲しまれたりするよりは」
本音だ。
泣いてしまった女の人をどう励ませばいかなんて、てんでわからない。
藤沢さんがやっと顔をあげた。目元ににじんだ涙を指でぬぐっている。
顔は笑っているけど、その涙が哀しみから出たのか、笑いすぎて出たのか……。
後者だといいんだけど。
「失恋してるんです。わたし、玲くんに」
「………え?」
「だから、フラれてるんです。玲くんに。玲くんにはずっと探してる運命の人がいたんです。その人をやっと見つけて、今ではラブラブなんです」
探してる……? 昔逢って離れてしまった人とかだろうか。
さすがに俺も、玲哉の恋愛話は知らないから憶測だけど。
藤沢さんは続ける。
「わたし、ずっと玲くんがすきだったんです。でも、すきだって気付いた時には玲くんにはずっと想ってる人がいて、最初から失恋だったんです。それでも吹っ切るために告白、したんですけど……全然、ふっきれないんですよ……今でも……何度も、何度も……終わりにしようって、この気持ち捨てなきゃって……決めたのに……」
藤沢さんの声が潤んでいく。
こんなときどうすりゃいいかなんてわかんない。でも。
「……泣きたかったら、泣いたらいんじゃない? 俺、昼休みと放課後は屋上にいるから、藤沢さんならいつでも泣き場所になるよ」