どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
えっ? 名前を呼ばれて振り返ると、同じクラスの女の子が二人、私の方を見ていた。
えっ⁉ も、もしかして今、挨拶してくれた……⁉ わ、わたしも返さなくちゃ! えーと、まずおはようって、それから――な、なにか話題を!
「ほら、やっぱり迷惑だよ、藤沢さんクールだから」
「そっか……いきなりごめんね、藤沢さん」
えっ、迷惑なんて全然ないよ⁉ わたしがパニくった頭でなんと言えばいいのか迷いまくっている間に、二人はそそくさと先を歩いて行ってしまった……。
……わたし今、友達つくるチャンスを逃した……? うわ~~~~! わたしのバカ~~~~! なんで気が利かないの! と言うか挨拶返すくらい礼儀でしょうがわたしのおたんこなす! ぼけなす! せめて……せめて「おはよう」くらいは言いたかった……。対人スキルが低すぎると、とっさに挨拶も出来ないものなの……?
落ち込んだ。
さっきよりも肩を落として歩く。
きっと今のわたしは負のオーラに包まれているだろう……。
そんなわたしを、コガサクくんが見ていることにも気づかず学校まで歩いた。
お昼休み、周りには聞こえないようにこっそりため息をついた。
朝、挨拶を返せなかったことが心に重くある。
……なんでわたしは羽咲ちゃんみたいに出来ないんだろう――
「あ、いたいた。水都さん、勉強教えてー」
――ザワっと、教室中の視線がその声の主に向いた。
「え――コガサクくん⁉」