どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
「コガサクくん、どうしたんです? 急に」
あまり大きくない声でコガサクくんに話しかける。
「あ、名前? 玲哉が名前で呼んでていいなって思ったから。でも玲哉ほど親しくないから『水都さん』」
「そ、そうですか……」
実に簡単な理由で踏み込んできてくれたんだ。
そういうフットワークの軽い人って憧れる……じゃなくて、わたしが訊きたいのは――
「わたしに関わるなってスタンスだったじゃないですか。それがこうも堂々と……」
「うーん。今朝ちょっと思ったんだけど、この学校で『藤沢水都』が独り歩きしてるなあって思って」
「へ? いや、わたし一人で歩いてますけど……」
「そうじゃなくて、水都さんの、周りが勝手に作った評判が尾ひれをつけて噂になってるなって思ったの。……今朝、挨拶してくれた人がいたでしょ? でも水都さんは返事しなかった。……友達がほしいんじゃないの?」
―――ガンッと、思いっきり机をこぶしで叩いた。
コガサクくんは動じなかったけど、視界の端に映るクラスメイトの肩が跳ねたのが見えた。
「……ですよ。ほしいに決まってるじゃないですか! 友達ほしいですよ! ぼっちは淋しいですもん! でもどうすれば友達出来るかわかんないんですよ~! わたし対人スキルゼロなんですよ!」