どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
そしてオマケで、一人歩きしていたのが『藤沢水都』だけでなくなっていた。
俺の喧嘩狂いみたいな扱いも、いつの間にか止んでいた。
友達ってほど親しい人が出来たわけじゃないけど、話しかけてくれる同級生が増えて、俺から用があって話しかけても、あからさまに怯えたり逃げられることがなくなった。
『コガサク』の一人歩きも収まったようだ。
と言っても、他校の生徒なんかから絡まれることが皆無になったわけでもない。
ただ俺は、『逃げる』を覚えた。
敵前逃亡カッコ悪い、とか言っている場合ではない。
俺は水都さんの友達になったので、水都さんや山手さん、常盤さんに被害がいってはいけない。
『コガサクは弱くなった』『喧嘩も買わずに逃げるほど腑抜けた』という評判をまき散らして、本物のヤンキーたちに俺への興味を失ってもらおうとしている。
どのくらいで効果が出るかはわからないけど、ヤンキー界隈での俺の評判なんて落ちても問題ない。
「作之助、なんか嬉しそうだね?」
む。心のうちのニヤつきが顔に出ていたか。
水都さんと並んで歩きながら話す。
「友達ができた」
俺のその一言に、水都さんはぱあっと顔を輝かせた。いい人か。
「わあ! おめでとう! クラスの人?」
「いや、水都さんも知ってる人」