どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
「友達? あっ! 羽咲の親友さん! えーと、藤沢水都さんだよね?」
お、おう? 一方的に名前まで知られていた?
「はい……藤沢です……。えーと……?」
申し訳ないけど、どこで見たかも思い出せない……もちろん名前は知らないはずだし……。
わたしが頭を悩ませていると、さいかちゃんさんはすっと背筋を伸ばした。
「私も空手部なんだ。藤沢さん、中学のとき大会の応援に来てたよね? それでえらい可愛い子がいるなあって憶えてたんだ。名前は羽咲から教えてもらった」
「……あ!」
そうだ! 中学の大会! 羽咲ちゃんの応援で何回か行ったことがあって、そのときに見たことがあったんだ。
「では改めて。菜原彩加(なのはら さいか)です。露季と快理とは同じ中学なんだけど、今は藤沢さんと同じ高校みたいだね。羽咲とは同じクラスで、同じく空手部。よかったら彩加って呼んでね」
菜原さん――彩加ちゃんは、人のいい笑顔で自己紹介してくれた。
わたしも慌てて居住まいをただす。
わたしはもう、友達も出来るし、ちゃんとお話だってできるはずだ!
「あ、えっと、藤沢水都です。露季ちゃんと快理ちゃんには大変お世話になっております。……というか、迷惑をかけまくっております……。わたしのことも名前でどうぞ」
ガチガチになりながら言うと、彩加ちゃんはにこやかにわたしの肩を軽く叩いた。