からふる。~第24話~
午前4時。
いつもと同じ朝を迎えた。
階段から差し込む日の光に目を細め、私はホウキでさっさと掃いていく。
「さあや、おはよ」
「黒羽くんおはよう。今日もありがと」
「毎回感謝してくれるんだな。律儀なやつだ」
黒羽くんは掃除が得意と自慢しているだけあっていつもピカピカに掃除してくれる。
私なんかより階段を何倍も美しくさせるのだ。
掃除も食事も皆で協力すれば出来る。
それなのに私を雇う意味ってあるのかな?
最近本当に自分が不要にしか思えなくて毎晩1人になると心が痛み、胸が苦しくなる。
こんなんじゃこの先生きていけないのに、私はくよくよしてばかりだ。
「さあや」
「何?」
突然話しかけて来たと思ったら1歩2歩と近付いてきた。
「卵焼き作ってくれ」
「えっ?」
「さあやのがいいんだ」
「いや、でも、私より桃さんの方が料理うまいし...」
「そんなの関係ない。言っただろ?さあやの卵焼きが世界一だって。世界一...いや、宇宙一だ」
「無理に励まそうとしなくていいよ」
「無理なんかしてねえ。ほんとのこと言ってるんだ。おれが普通の食事で1番最初に旨いっていったのはさあやの卵焼きなんだよ。それは不変の事実だ。ってことで毎日おれに卵焼き作ってくれ。あとは...味噌汁。次はそいつを攻略しようと思う」
攻略って...ゲームじゃないんだから。
「頼むな」
「うん...」
昨日はあんなに頬張ってたくせに。
私に気を使わなくていいのに。
黒羽くんは意外と他人の心を見抜いて寄り添うことが出来る人なのかもしれない。
そんな彼に私が唯一出来ることは彼に余計な心配をさせないことだ。
彼が私なんかじゃなく、ちゃんと前園さんと向き合えるようにするべきだ。
いつもと同じ朝を迎えた。
階段から差し込む日の光に目を細め、私はホウキでさっさと掃いていく。
「さあや、おはよ」
「黒羽くんおはよう。今日もありがと」
「毎回感謝してくれるんだな。律儀なやつだ」
黒羽くんは掃除が得意と自慢しているだけあっていつもピカピカに掃除してくれる。
私なんかより階段を何倍も美しくさせるのだ。
掃除も食事も皆で協力すれば出来る。
それなのに私を雇う意味ってあるのかな?
最近本当に自分が不要にしか思えなくて毎晩1人になると心が痛み、胸が苦しくなる。
こんなんじゃこの先生きていけないのに、私はくよくよしてばかりだ。
「さあや」
「何?」
突然話しかけて来たと思ったら1歩2歩と近付いてきた。
「卵焼き作ってくれ」
「えっ?」
「さあやのがいいんだ」
「いや、でも、私より桃さんの方が料理うまいし...」
「そんなの関係ない。言っただろ?さあやの卵焼きが世界一だって。世界一...いや、宇宙一だ」
「無理に励まそうとしなくていいよ」
「無理なんかしてねえ。ほんとのこと言ってるんだ。おれが普通の食事で1番最初に旨いっていったのはさあやの卵焼きなんだよ。それは不変の事実だ。ってことで毎日おれに卵焼き作ってくれ。あとは...味噌汁。次はそいつを攻略しようと思う」
攻略って...ゲームじゃないんだから。
「頼むな」
「うん...」
昨日はあんなに頬張ってたくせに。
私に気を使わなくていいのに。
黒羽くんは意外と他人の心を見抜いて寄り添うことが出来る人なのかもしれない。
そんな彼に私が唯一出来ることは彼に余計な心配をさせないことだ。
彼が私なんかじゃなく、ちゃんと前園さんと向き合えるようにするべきだ。