仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「私、朝倉 陽愛。よろしくね」
私も一応自己紹介。
すると、彼女は突然ど直球に言う。
「朝倉さんは、日向の姫にならないの?」
「え……」
「早川くんの彼女なのに、なんで姫にならないのかなぁ……って。やっぱり、あの噂が原因だったり……?」
噂……もしかして、噂って。
私が月輝の元姫だと言うことだろうか。噂がそれだとしたら、なんでこんなに普通に接してくれるのだろうか……。
図星すぎて言葉がうまく出てこない。また、あの日みたいに言われたらどうしよう……。
「……べつに、姫じゃなくても守れるんじゃねーの。ただの肩書きだろ? “日向の姫”なんて。」
……っ!
その声の主は、今日初対面の男子だった。