仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
あの日から少しは強くなれたかな。
「こっちには早川陽平の彼女がいるんだから楽勝だろ? 今日こそ、日向を……潰す。」
私がいるから楽勝って、どういうこと……?
どうして楽勝なのか理解できないでいたその時……誰が合図をしたのか初めてみる喧嘩が始まった。
骨と骨がぶつかり合う音、沢山の嫌な音が聞こえる中で陽平くんを見つける。
陽平くんって本当に強いんだなぁ……こんな時なのに、カッコいいって思ってしまう。
彼に見とれていれば……闘いは終わっていて。彼は私のところに近づいてくるだけど背後にはパイプを持った男がいた。
あの人……陽平くんのことを……殺るつもりだ。他の人は、気づいてない……っ?
「陽平くんっ!!」
私の叫び声に、みんなが陽平くんの方を見て目を見開いていた。