仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
守りたい……とそう思い、叫んだ時にはもう私の体は動いていて、彼を思い切り押していた。
ガンッ……!!
次の瞬間頭に衝撃が走った。今まで感じたことのない痛みが私の意識を持っていきそうだ。
「ひよ、りっ……!!」
私を呼ぶ大好きな声が聞こえる。彼の顔は本当に心配そうで……こんな顔させちゃって申し訳ないなぁ。
「……よーへぃくん……わ、たし大丈夫たがらね……そんな、顔しないで……っ」
陽平くん、私は大丈夫だよ。大切な人を守れたんだから。だから笑ってよ……なんだか眠くなって来ちゃった。
少しだけ、寝させてね……。
「陽愛っ……!」
私は大好きな声を聞きながら、目を瞑った。