仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
すぐに、陽を俺のバイクの後ろに乗せる。
「陽、飛ばすからしっかり捕まれよー!」
抜け殻状態の彼だけど、さすがに落とされたくないのか俺に掴まる。それを確認して走らせた。
病院に着くと理玖と連絡を取り合い、手術室前まで走った。
《手術室》
きっと彼女がいるだろう場所……まだ終わってないのか赤いランプが点いている。
まずは陽を長椅子に座らせて理玖に話しかける。
「……大丈夫か、理玖」
「あぁ……なんとか。」
手術室のドアの中からは沢山の医療言葉が飛び交ってる。そりゃ不安になるよな。
理玖も陽愛ちゃんのこと大切に想ってるんだから。
すると、ドアから黒縁眼鏡をかけている医師が出てきた。