仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



【陽平 side】


ここは病院のとある休憩スペース。
俺はまた……大切な人を守れなかった。

守るどころか、また守られてしまった。


「……い! 陽平‼︎大丈夫か?」

「え、あっ……はい」


そうだ、今は悠介さんの話を聞かなきゃ……俺は知らない陽愛のこと知りたい。


「……俺が話す必要は無さそうだな。」

「え?」
「は?」


みんなの声が揃う。悠介さんが向いている方向は、陽愛の病室の方でそっちから来るのは……陽愛だと思って振り返る。

「陽愛……っ」

「心配させちゃってごめんね。ありがとう来てくれて。」


そこにはいつもと変わらない笑顔の陽愛がいた。




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