仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
信頼から生まれた友情。
【陽愛 side】
あれから部屋に戻ったのにお互い話さない。個室だからなんの声も音すらも聞こえてこない……気まづい。
ここは、私がアクションするべき……?
だけどどちらかが何かを言わなきゃ始まらない気がするよ。
「よ、陽平くんっ……」
よし、今だ! 彼が顔を上げた瞬間……私からキスをする。
……は、反応なし!? それはそれでショックなんだけどと思ったら、今度は陽平くんから抱きしめられて予想外すぎてあたふたしてしまう。
「……俺、怖かった。また、大切な人に守られて。」
「え、また……って……」
「俺、3回目なんだ……守られるのは。」
私の他にもあるの……?
彼を守ろうとしてくれた人が……。