仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
そう、なんだ……なんか言葉が出ない。
私なんか比べ物にならないくらいに辛くて悲しい過去だった。
「……なんかごめんね、私何も知らなくて……辛い話、話させちゃって……。」
だけど、陽平くんは私をぎゅっと抱きしめた。
「……俺は、陽愛とお互いの過去を共有したいって思ってるよ。お互い辛かった過去があるからこそ、共感出来ると思うし……
それに、こんな広い世界の中沢山の人がいる中で俺らは出会えて、恋人になった。出会うことも奇跡だと思うのに、すごい確率だと思うんだよ。
何が言いたいのかって言うと、もう少しお互いのこと知りたいなぁと思って」
そうだね……きっと、私たちがこのタイミングで会ったのは理由があったのかもしれないもん。