仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



じゃあ、だから辛そうに“日向の総長”だって言ってたのかな?


「……だけど、陽愛と出会ったころから変わった。あいつ、総長なって感情がなくなったみたいに冷酷男になって……あ、日向のやつには優しかったよ。
けど、まるで前に戻ったみたいに笑うようになった。だから…ありがとう。

こんな世界の片隅で、陽と出会ってくれてありがとう。」

そう言った彼は立ち上がって頭を下げた。私は驚いてオドオドしていたら、


「……それとごめん。俺、陽愛のこと表面しか見てなかった」


最後、「俺は全く昔から変わってねーな……」と庵くんは小さく呟いた。庵くんも何かあるのかもしれない……彼が話してくれる日は来るのかな?


私は、この人とこれから先ずっと友達として側にいられるんだろうか。







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