仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
日向の姫と、記憶の傷。
【陽平 side】
あれから数日後の陽愛が退院を前日に控えた今日……。
俺は、久しぶりに日向の倉庫に来ていた。
「お疲れ様です、陽平さん! お久しぶりですね。みなさん集られてますよ!」
「ありがとう、久しぶり。」
下の奴らに声をかけられてみんなが集まっているであろう幹部室へと向かう。階段を上ると、【幹部室】と書いてある部屋のドアを開けた。
「遅いんだけど。朝から仲のよろしいことで」
「会いに行くのはいいけど、時間厳守!!」
「陽は、一応総長だからもうちょっと早く来ようね。」
「俺も陽愛に会いたいんだけど!」
蒼太から始まり順に理玖、昇、庵……は!?
庵って、陽愛を嫌ってたはずじゃなかったっけ……?
「そんな睨まんでよー!! こないださ友達になったんだよ。」