仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。


「…私を、日向の仲間に入れてください。」

そう言って頭を下げる。そりゃそうだよね……都合が良すぎるよね……。

「え?」
「はっ?」

今反応するの……⁈
反応遅くない?すごく勇気出して言ったことなんだけど。

「都合が、いい……かもしれないけど、私」

「……本当に?夢、じゃない?」

「うん、夢じゃないよ。昨日の夜ずっと考えたの。私、もう一度信じてみようかなって……ずっと姫でいるかは分からないけど…」

「…う、嬉しい!」

彼は向日葵が咲くように笑う。陽平くんは太陽みたいだった。

「早速、倉庫行こっか。悠介さん、倉庫まで送って貰えますか?」

「はいはい。仕方ないなぁ…」

そう言った悠介さんの顔は穏やかだ。私が答えを出せたのは彼のおかげ。

心の中で悠介さんにお礼を言った。



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