仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
私と陽平が昇さんの隣に立てば、昇さんが今まで聞いたことのない大きな声で話し出す。
「新しい、日向の仲間を紹介する。日向初の姫になった朝倉 陽愛だ。陽愛ちゃん、挨拶出来る?」
「うん、陽平くん下に降りてもいい?見下ろすの好きじゃないの。」
彼にそう伝えて下におりる。やっぱり挨拶するのは、見下ろすのはダメだよ。私そんなに偉くないこの下にいる子よりも下っ端だもん。
私は、みんなと同じ目線に居たいから。深呼吸をして、彼らを見る。
……大丈夫だよ。きっと。
きっと、大丈夫……みんながいるもん。
「みなさん、はじめまして。本日、日向の姫になりました朝倉 陽愛です」