仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



2階にある部屋“幹部室”の前に行けば、レンくんが開けてくれる。これも日常になってる。

「ありがとう、レンくん。」

「いえ」

本当にいい子だなぁ…気遣いとかできるなんて素敵だ。きっとレンくんはモテるよね。

「陽愛さん、俺モテませんよ。」

「え?こ、声に出ちゃってた?」

「はい、まるっきり。」

……恥ずかしい。こんなことが声に出てたなんて……それに、

「陽愛、レンのことそんな風に思ってたんだ。」

「え、えっと……あの陽平くん………」

「陽愛、総長室いこうか。」

………え⁈と思った時にはもう既に遅くて手を繋がれて拒否をすることはできなくなっていた。


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