仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「どうぞ、入って。良かったら履いてね」
彼はドアを開けると、スリッパをスッと出してくれた。意外と優しい……?
部屋の中に入ると、ソファに誘導されて座るように言われる。
「君、ココア飲める?」
「え、あ……っうん。飲めます……」
そういえば、髪の色…綺麗だなぁ
なんだろう……金髪じゃないんだけどキャラメル色?
「はい、どうぞ……今夜は冷えてたしあったまるよ」
「……ありがとうございます。」
湯気がふわふわ出てて、見てるだけであったかくなる感じがする。
あったかいココアを口にする。すごくあったかくて甘さが控えめでちょうど良かった。
「……あの、何も聞かないんですか?」
率直に聞いてみる。だって彼はなんも聞かないんだもん…不思議すぎて。