仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「陽愛、大丈夫?……怖い?」
総長室のドアを閉めた陽平くんからそんなことを聞かれる。
「え………」
「……今日朝から不安そうな顔してる。何が陽愛をそんな顔にさせてるの?」
「そ、れはっ……」
自分でもわからないんだ。何かが不安で仕方ない。
「…元仲間だった人と戦うの嫌?それとも俺たちが心配?」
「……陽平くんが心配っ……。私、陽平くんがいればそれでいいの。陽平くんが隣にいてくれればそれで」
すると彼はぎゅっと少しだけ強めに私を抱きしめる。
「ありがとう、陽愛。俺らは絶対負けないよ。傷一つ作らずは無理だけどさ……必ず、勝つ。」
「……うん、」
私は、彼の強い言葉にそれしか言えなかった。