仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「きっと君は今まで自分が欲しいと思ったものは、自分が言えば手に入った。
本当のおとぎ話に出てくるお姫さまのように、すべては君の思い通りになってきたんだろうけど。」
まぁ、確かに。
普通に彼女を見れば如何にもお姫さまって感じだ。なんて言うんだろう……ワガママ姫?
うーん…
「それになんで自分の家に頼る?
君の近くには月輝の奴らがいるはずだろう?
月輝がいるのに、なんで頼らないんだ?
仲間なんだろう?
そりゃあねぇ…陽愛を突き落としといて、手に入れたんじゃ“仲間”にはならねぇよ。
なれるはずない。
何度も言うが、この世の中信頼で成り立ってんだよ。暴走族だろうが極道だろうがな。
信頼してない時点で、君たちは仲間じゃない…。
ただの偽物のお仲間ごっこだな。」
お仲間ごっこ、って……。
彼女を見ると悔しそうに顔を歪めている。
図星ってとこかな……だけど━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎。