仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
彼は私に手を差し伸べるとなにかを呟いてニコッと笑った。
「俺の出る幕はこれまでかー……」
えっ……?
それはどういう……
「……陽愛、」
私を呼んだのはやっぱり陽平くんで……寂しそうに笑った。
「……陽も陽愛も倉庫ちゃんと来いよ。待ってるから。」
すると、蒼太くんは陽平くんに言ってから来た道を戻って行った。
「……陽愛」
陽平くんは私をそっと抱きしめた。
「ごめん……陽愛のこと傷つけた」
「……っ」
「俺は陽愛のこと……」
『俺は陽愛のこと』
あの日の出来事が鮮明に思い出されていく。
怖いっ……
『もう大嫌いだ。』
あの日の情景が目に浮かぶ。
私、……
「……や、めてっ!もう、傷つきたくないのっ」