仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「もし運命の人同士なら、きっと大丈夫だよ。こんなとこで終わらないよ。」
「……あの、龍太さんっ…俺」
俺はソファに座っていたけど、立ち上がる。
「俺のこと構わなくていいから行っておいで。仲直り出来たら、彼女と来てね」
そう言った龍太さんを再度見る。以前と変わらないなと思う。だっていつだって龍太さんは背中を押して勇気をくれるから。
「はい…!絶対連れてきます‼︎お茶ご馳走さまでした」
彼にお辞儀をして病院を後にした。きっと陽愛は海にいる。だから、海に向かってバイクをスピード制限ギリギリで走らせた。
「ねぇ、こんな遅くにひとりでなーにしてるの?」
遠くだけど、聞こえてきたのは大好きな彼女の声だった。