仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
それから、お兄ちゃんとバイバイして病院を後にした。
陽平くんの車に乗ってあの場所に向かう……
「……海、静かだね。」
「まだ寒いからなぁ…俺たちくらいだろうな」
確かに……周りを見ても誰もいない。
この海にはたくさん思い出が詰まってる。言葉じゃ表せれないくらいの沢山の出来事が。
「でも、どうしたの……?」
「…俺も、話さなきゃと思って…前に進む為に、陽愛に知って欲しい。」
急に真剣な表情に変わって、心臓がドクンと音を立てた。
「俺……陽愛と昔会ったことあるんだ。」
「……え?」
「……俺も、陽愛たちがいた時期に一時保護されていたんだよ。」
一時保護……。
彼は、そう言うと目を閉じた。