仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
【陽愛 side】
陽平くんの過去は壮絶で、聞いてる私が辛くなって来ていた。
「……龍太さんに出会った日にさ言われたんだよね。
『そんなことしてる自分がカッコいいって思うのかよ?
本当のカッコいいっていうのはな、大切な誰かを守れる強さを持っている人を言うんだ。』
……って言われたんだ。なんかそれ聞いたら本当に馬鹿らしくなったよ。こんな俺じゃ、本物のカッコよくなれないじゃんって。
だから、少しでも……守れる強さが欲しくて、日向にはいったんだよ。」
お兄ちゃんは、カッコいいなぁ……本当の強さか。
「だけど、入ったら……俺なんか並みじゃないくらいに壮絶な過去がある奴ばっかりで。
俺は甘えてたんだなーって思った。きっと、構って欲しかったんだよ。」