仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。


すると急に陽平くんは思い出すように懐かしそうに笑い出した。

「……どうしたの?」

「そん時、龍太さんに言ったんだよ。俺は甘えてたのかもしれませんって。そしたらなんて言ったと思う?」

「え……っと」

「『人ってそんなもんだよ。みんなそうなんだよ。だけど、俺たちは少し違っただけ。』

そう言ったんだ。なんだか、…分からないけど安心したんだよね。

『そんな俺たちの心の在りどころを作りたかったんだよ。』

その言葉で、俺は思った。無意味な喧嘩をして来た俺だけどこの人のために捧げようってさ。」

きっと、お兄ちゃんが私のために作った日向会は陽平くんたちに受け継がれるんだ。そうやって、続いていくんだよね。

なんだか、感動するな……

「……で、陽愛にお願いがあるんだよ。

俺の…母さんに一緒に会って欲しいんだ」




< 253 / 283 >

この作品をシェア

pagetop