仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「……すっげー力になってるよ。陽愛が彼女でいてくれるだけで
陽愛はなんも返せてないっていつも言うけどさ、俺にとっては…道しるべ。」
それだけ言って彼は黙ったけどすぐに口を開いた。
「……整理、出来たら聞いてほしい話があるんだ。」
「え……」
「……もう、すぐだな。柊木街……」
話をしていたらすぐ着く場所に陽平くんのお母さんはいたんだな。親子でちゃんと話せるといいなぁと願うばかりだ。
【柊木ヶ丘 Aマンション】
「ここだな……ここの4階、405号室」
「う、うん……なんか高級そうなマンションだね」
彼にそう言うけど何も答えずに私の手を握り、エレベーターに無言で乗った。