仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



「……あの時は本当に悪かったって反省しているの。だけれど今なら家族になれる気がするの」

「はぁ?裕福な暮らしができるようになったから俺と家族になれると思ってんの?俺は、裕福な暮らしを望んでるわけじゃない。
ただ、俺は━︎━︎━︎」

ただ聞いているだけになっていたところにリビングに男性が入ってきた。

「未歩(みほ)」

男性が名前を呼ぶと彼女の表情が綻んだ。この人があの神林社長なんだ……。

「君が陽平くんと……え、陽愛ちゃん⁈」

男性は、知らないはずの私の苗字を呼んだ。神林さんの顔を再度見ると今度は私のほうが顔が綻んでしまった。

「もしかして蓮、くん……?」

「そうそう…!! 神林 蓮だよ。いやー久しぶりだね。中学卒業以来だよね。」

「うん、そうだね」


この男性は、神林 蓮(かんばやし れん)。
中学の時の……元彼のお兄さんだ。あの頃はすっごく不良だった気がする。
髪は金髪で、ネックレスジャラジャラ付けていた……。





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