仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。

マンションから出て、車に乗り込むと……


「で、あの蓮さんの言っていた“暁斗くん”って誰なわけ?」

「……えっと、あの」

気になっていたんだと思うことを聞いてくる。
そりゃ、気になるよね……。だけど、“元カレ”だなんて言えないと思っていたのに。

「……元カレ?」

「えぇぇ⁈ なんで……」

私の心を読んだかのように、それは図星なことで……

「まぁ、気まづそうな顔してるし……だけど、別にいいよ元カレでも。今、陽愛が好きなのは俺だろ?」

彼は自信満々に言うからクスッと笑ってしまう。

「うん、今は陽平くんが大好きだよ。」

「ん、知ってる……俺も好き」


そう言って陽平くんは、キスを落とした。




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