仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。


……女の子が憧れる、ドラマのワンシーンみたいなシチュエーション。

陽平くんが箱をパカっと開けるとそこにはひとつの指輪が光っていた。


「……朝倉 陽愛さん…俺と、結婚してください。」

告げられた瞬間、涙が出てきて止まりそうにない。すごく嬉しいはずなのに……。

人は幸せ絶頂になると、涙が出て止まらなくなるのかな?

そう思ってしまうくらいに私は……。

「……そんなに嫌だった、かな?」

「違うのっ……すごく嬉しい。なのに、ね、涙が止まらないのっ」

「……じゃあ、俺と結婚してくれる?」

「うん! 陽平くんと結婚する……っ」

そう彼に告げれば指輪をはめてくれて、その指輪はある花のモチーフで作られている。


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