仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
after story *

引退式




あれから数ヶ月。
引退すると陽平くんが私に言ってから数日後に日向の幹部の人たちに報告したら、

「えー?なら俺も辞めるわ」

「…は?」

「じゃあ俺も」

「俺も辞める」

「いやいや、おまえらが辞める必要は……」


昇さんをはじめ、庵くん蒼太くんが言い出して

「決まってるだろ?陽が辞めて俺らが辞めなかったら、新しい総長が気使うじゃんか、それに俺らは陽平と引退したいから。」

と、理玖くんが言ったがために全員で引退することが決まったんだ。
だけど、1番大変だったのは新しい総長と副総長を決めることだったことらしくて……。

「……決まらない」

候補者は決まっている。
だけど毎日毎日、嘆きながら考えて考えて陽平くんと副総長の昇くんは悩みに悩んでいて

「総長になるっていうことは、日向だけじゃない。
日向会全体を指揮することになるんだよ。だから、簡単には決められねーし……
その総長を支える副総長もなかなか決めれない……」

「そうだね。俺は、龍くんが総長だった時から副総長やってるけどさ…生半可な気持ちじゃ出来ないしね。
…責任も重大だ。情報収集から日向会の連絡係もやって……尚且つ、総長を支える結構大変な仕事が待ってるからね」

彼らの話を聞いて、きっと私の知らないところで沢山の葛藤とかあったんだろうなぁと2人を見ていても実感する。



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