仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「……え?俺ですか?」
「あぁ。世那にやって欲しい。下の奴らの中で1番信頼も厚い。それに俺たちをいつも裏でサポートしてくれてすっげー助かった。
だから、世那を総長にすることに俺も昇、理玖、蒼太、庵も全員賛成だった。」
……決めていたからきっと陽平くんは悩んでたんだ。
陽平くんが一番知っているであろう総長としての重圧を彼に負わせたくないと。けど、いつかは誰かに世代交代しなきゃいけない時が来る。
いつまでも同じ場所にいられるわけじゃないから。
「……俺、頑張ります。総長みたいな総長になれるように」
「別に俺みたいにならなくてもいい。世那は世那なりの総長になればいい。
世那らしい“日向”を作って盛り上げていけばいい。
だから、無理に頑張るな。」
『無理に頑張るな』か……陽平くんらしい言葉だな。
その一言にはきっと陽平くんの沢山の想いが詰まってるんだろう。