仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「陽愛と一緒に見たかったんだ。海から見る日の出。」
彼と見る日の出はとっても綺麗で、なんか別世界にいるような気がした。
そんな素敵な景色は目に焼き付け、家に帰って来たけど……あと制服着るだけなはずなのにみんな起きてなくて。
急いで起こして、着替えて、陽平くんの車で行けば渋滞に巻き込まれて……。
朝はすごく気分良く卒業式を迎えられると思ったのに、今はすっごく疲れちゃったよ。
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卒業式は無事終わり、教室で担任の先生からのお話を聞いて帰る支度をしていた。
「陽愛、陽平。」
私と陽平くんを呼ぶ声が聞こえて振り向くとお兄ちゃんが立っていた。
「龍太さん、今日はありがとうございます。」
「全然いいよ。俺も来たかったから…」
そうかお兄ちゃんもここの卒業生だもんね。
「それより、今日行くんだろ?」
「うん。あのさ、提案なんだけど陽平くん連れて行っちゃだめかな?」