仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
好きなのに、ある想いが交差する。
【陽平 side】
あれから彼ら、月輝の奴らとは別れて、車でアパートまで戻る。車内は沈黙が続き、彼女は下を向いていてしまった。それに部屋に入っても黙ったままだ。折角、笑ってくれたのに……。
あいつらのせいでぶち壊しだ。俺はまず彼女をお風呂に先に入ってもらい、彼女が入っているうちに昇に電話をする。
『……何? 今何時だと思ってるんだよ。』
『月輝と接触した。今。総長はいなかったけど、副総長と幹部2名な。』
『へー……理由はまたじっくりと話してもらうかな。総長さまはいつ来るの?』
『しばらく行かねーよ。昇がいるんだから問題ねーよ』
『は?お前総長だろ。ずっとこないつもりかよ』
そんなつもりはない。一応総長だし……仮のな。