仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



【昇 side】


目隠しされて、拘束されてやって来たのは陽が大切な女だった。

陽のことだ。ちゃんとマンションで鍵をかけて来たはず……なのに、なんで………捕まったんだよ。


「早川の弱みは、この子だろ? ずっと、早川のマンションを張ってたんだよなぁ……やっと、わかった日が抗争の日だとは思わなかったよ」


……マジかよ。タイミングを見計らってたのかよ。


「大切な彼女、ぐちゃぐちゃにしてやるよ……嫌ならさ、やられてくれない?」


……やられてって、そんなこと……

「……わかっ「………違うっ」」


陽が答える前に彼女が遮る。それにみんなが反応して、彼女を見る。もちろん、陽も……。




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