仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
だけど良かったわ。
良くはないけど……本当に良かった。寸止め出来て良かった。陽愛だけは大切にしたいから。
彼女が立つキッチンに近づいて後ろから抱きしめる。彼女から香る柔軟剤の香りが俺の理性を刺激するが、ここは耐えなくては。
「どうしたの……? 陽平くん?」
「ん〜……抱きしめたかったから。」
ほら、可愛い顔で俺に問いかけるものだからさキスしたくなるんだ。だけど、もっともっと……って自分の中で葛藤ばかり。
「……ハンバーグ?」
「うん、陽平くん好きでしょう?」
俺が抱きしめてるというのに気にしないようにハンバーグをフライパンで焼いていて……たしかに好きだよハンバーグ。