仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



「はい、できた。陽愛ちゃん、似合ってるね。」


白地に水彩でふんわり描かれている椿の花。帯はラベンダー色でワンポイントで蝶々が描かれている。
何故か浴衣を選ばされて選んだら、帯やら小物やら組み合わせをしてまるで着せ替え人形かのように何パターンか試されて髪も沢山いじれてやっと……着付け完了。


「ありがとうございます。」


髪もアップしてもらいメイクも施された。まるで別人みたいになっていて自分じゃないみたいだ。

沢山の中から着せ替え人形のようになりながら選んで良かった……1番大人しめで派手な感じないし……。


「陽平も惚れなおすんじゃない? あ、そう言えば自己紹介してなかったよね。俺の名前は神楽崎 悠介(かぐらさき ゆうすけ)。一応ね、美容師やってるんだ。」


あぁ、美容師さん……
だからこんなにプロみたいにお上手で、センスがいいのか……。





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