仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「早川先輩がいるじゃん! お祭り毎年来るって言ってたけど本当だったんだ〜」
「それに昇先輩もいるー! 今日ラッキーだね」
……この2人って有名なの? みんなが陽平くんのことを振り向いてチラチラ見てるし……。
「ねぇ、陽平くん。陽平くんたちって有名なの?」
陽平くんに聞いたのに隣にいる昇さんに大きな声でゲラゲラ笑われた。
「そんなこと聞く子、初めて見たよ。この辺ならほとんどの人が知ってるよ。」
「……え、じゃあ私だけ?」
「うん、そうだね……。多分、今までで初めて……っハハッ」
……すごい笑われてるんだけど。
私、どれだけ世間のこと興味ないのだろうか……ちゃんと勉強しよ。
「そうなんだ……ちゃんと勉強するね。」
真剣に言ったのに、今度は陽平くんに笑われる。もう……なによ。